はじめに:資料のアップデート、地獄じゃない?
- PDF資料のバージョンを更新するたびに、
「どのページがどのメモに対応してたっけ?」 - マインドマップツールに書き直すのが面倒で、結局やらない
- 資料の構造を整理したいけど、毎回ゼロから図を描くのはつらい
そんな「資料整理あるある」を、ほぼ自動で解決するのがこのアプリ、
「Structure Tool (Smart Update) / MindMap Tool (PDF Update Capable)」
です。
このアプリでできること(ざっくり)
- PDF・PPTXを読み込むだけで、スライドをカード化
- カード同士を「結合」して、Lv.0 → Lv.1 → Lv.2…と抽象化した構造を作れる
- 後からPDFを差し替えても、既存の構造とメモは維持したまま“スマート差分更新”
- 作った構造は
.janicreファイルとして保存・再読み込み可能 - カード同士は線でつながり、“縦マインドマップ”のように俯瞰できる
つまり、
「資料を読み込む」
→ 「カードとして並べる」
→ 「抽象化して構造を作る」
→ 「後日、資料を更新しても構造はそのまま使い回せる」
という、「構造だけは一生使い回せる」タイプのマインドマップツールです。
特長1:PDF・PPTを自動でカード化する「Lv.0 資料」レーン
画面左の列(Lv.0)は、元資料用のレーンです。
- PPTXを読み込む
- JSZipで
ppt/slides/slideX.xmlを読み込み - テキストを抽出して、1スライド=1カードとして追加
- JSZipで
- PDFを読み込む
- pdf.jsで各ページのテキストとサムネイル画像を生成
- 1ページ=1カードとして、Lv.0に追加
カードには:
- 上部:
Slide 1/Page 3などのタイトル - 中央:テキストの要約(抜粋)
- 下部:ページサムネイル(クリックで拡大)
が表示されます。
1ページごとに簡易マインドマップの素材が勝手に生成されるイメージです。
特長2:カードを「結合」して抽象化──Lv.1, Lv.2…と階層化
任意の列でカードを複数選択すると、右下に
「〇枚を結合」ボタン
が現れます。
- 同じレベルのカードを複数選択
- 「結合する」を押す
- その右の列(次のレベル)に、
親カードをまとめた**「抽象化カード」**が自動生成される
これにより:
- Lv.0:原資料(スライド/ページ)
- Lv.1:少し大きい塊(章・シーン・話の流れ)
- Lv.2:さらに抽象的なテーマ・メッセージ
という形で、資料からストーリー構造まで一気に引き上げていけます。
カード同士は自動で曲線で接続されるので、
- どの抽象カードが
- どの元スライド/ページから構成されているか
が一目でわかります。
特長3:PDF更新(差分)でも「構造はそのまま」スマート更新
このアプリの一番のキモは、「PDF更新(差分)」ボタンです。
普通のツールだと起きる悲劇
- PDFを作り直してページが増減・並び替え
- 手書きマインドマップやノートとの対応関係が崩壊
- 「どのメモがどのページの話だったのか」わからなくなる
このアプリのアプローチ
- 既存のLv.0カードの**元テキスト(rawText)**を保持
- 新しいPDFを読み込んだとき、ページのテキストと既存カードのテキストを比較
- **類似度スコア(0〜1)**を算出し、0.7以上なら「同じページ」とみなしてマッチング
- マッチした場合
- サムネイル画像を新PDFのものに差し替え
- タイトルも
Page X (Updated)に更新 - ユーザーが書いたメモ(テキストエリアの内容)はそのまま維持
- マッチしないページは、「Page X (New)」として新規カード追加
これにより、
PDFを刷新しても、
「構造」と「自分のメモ」は崩さずに更新できる
という、ドキュメントの“構造資産”を守るツールになっています。
特長4:.janicre形式でプロジェクト保存&再開
右上の「Save」ボタンを押すと、
- すべてのカード情報
- レベル
- タイトル
- メモ内容
- 親子関係
- サムネイル
- 元テキスト(rawText)
をまとめて、.janicre ファイルとしてローカルに保存できます。
後日、
- 「Load Proj」から
.janicreを読み込めば、
その時点の構造を丸ごと復元可能。
「PDFを差し替えながら、構造だけは育てていく」
という運用ができるのが大きな特徴です。
具体的な使い方ステップ
- 新規読込(📁 新規読込)
- PPTX または PDF を選択
- Lv.0にスライド/ページカードが自動生成
- 構造づくり
- 重要なカードを同じ列で複数選択
- 右下の「結合する」ボタンをクリック
- 右列に「抽象化」カードができるので、テキストエリアに要約を書く
- 階層の拡張
- Lv.1のカードをさらに結合してLv.2へ…という形で、
自分だけの「構造マップ」を育てていく
- Lv.1のカードをさらに結合してLv.2へ…という形で、
- プロジェクト保存
- 💾 Save で
.janicreファイルを保存
- 💾 Save で
- 資料更新
- 資料がアップデートされたら「🔄 PDF更新(差分)」から新PDFを読み込む
- 変わったページだけサムネイル・テキストが更新され、
作った構造とメモはそのまま活かされる
想定ユースケース
1. プレゼン資料のリニューアル管理
- 社内提案資料
- クライアント向け提案
- 投資家向けピッチ
など、バージョンが増え続けるスライド資料の構造を、一つのプロジェクトとして維持できます。
2. 書籍・論文の「構造読書」
- PDF書籍・論文を読み込む
- 章節ごとにカードを束ねていき、
**「自分だけの目次+要約マップ」**を作る - 後日、改訂版PDFが出ても構造を使い回せる
3. ドキュメントからストーリー設計へ
- 仕様書や企画書を読み込み
- 問題・原因・解決策・インパクト…といったパーツを結合
- 「プレゼン用のストーリーライン」を構造的に作る用途にも向いています。
技術的なポイント(軽め)
開発者向けに、少しだけ実装寄りの話も。
- pdf.js でPDFページのテキストとサムネイル画像を生成
- JSZip でPPTXファイルを展開し、XMLからスライドテキストを抽出
- カードの接続線は SVG のベジェ曲線(path) で描画
- レイアウトは、親カードの中央位置を平均して、
自動で縦方向の整列・間隔調整を実施 - すべてブラウザ上で完結するため、
サーバーにファイルをアップロードせずに利用できる構成
まとめ:資料の「構造」を資産にするツール
この「MindMap Tool / Structure Tool (Smart Update)」は、
- PDFやPPTから情報を引き出して
- 抽象化しながら構造マップを作り
- 資料がアップデートされても構造はそのまま使い続けられる
という、「構造を資産に変える」ためのツールです。
- 資料づくりが多い人
- ストーリー設計やプレゼンが多い人
- 学びを「構造」で残したい人
ほど、相性が良いと思います。
