✅ 結論:予測してるのはAttention層ではない。最終層のLinear + Softmaxだ
多くの人が誤解しているが、Transformerにおいて単語の予測をしているのは最終段階である。
- Attention層 → 単語間の関係性・文脈を組み立てる
- FFN(Feed Forward Network) → 情報を強調・圧縮・変換する
- Linear + Softmax → 出力候補(語彙)の中から実際に予測する
🧱 Transformerの構造をもう一度ざっくり確認
[入力] → [Embedding]
↓
[Self-Attention層 × N]
↓
[出力ベクトル(文脈表現)]
↓
[Linear層(語彙ベクトルとの内積)]
↓
[Softmax] → [次の単語予測]
🤔 Attention層は「予測器」じゃない!
じゃあ何してるの?
- Query × Key の内積 → スコアを出す
- そのスコアで Value を加重平均
- → 単語ベクトルを「文脈ベクトル」に変換
それを何層も繰り返して、意味をどんどん高次元に再定義しているだけ。
🧠 「じゃあ実際に予測してるのはどこ?」
それは 最後のLinear + Softmax層。
- 最終層のベクトルを、全語彙(例:50,000語)のベクトルと内積
- Softmaxで「次に出そうな単語」の確率分布を出す
- 最も高い単語を出力 or サンプリング
これが LLMの出力の本体だ。
⚠️ よくある誤解まとめ
誤解 | 実際 |
---|---|
各層で単語を予測してる? | ❌ → 各層はただの「意味処理機」 |
Attentionが出力を決めてる? | ❌ → 出力は最終のSoftmaxが決定 |
Transformerは1語ずつ処理? | ❌ → すでに出力されたトークンを使って毎回全文再計算(自己回帰) |
📌 補足:学習時は「正解トークンとのズレ」で全部の重みが修正される
- 学習時には、「正解の次の単語(ラベル)」を与える
- 最終Softmaxの確率分布と比較して**損失(Loss)**を計算
- そのLossを元に、Attention含む全層の重みが調整される
だから、Attention層も学習には関わってるが、出力そのものはしないという点がポイント。
🎓 まとめ:Transformerは「文脈を育て」、最後に「単語を選ぶ」
- Transformerは「単語の関係性 → 文脈 → 抽象表現」をAttention層で構築
- 出力予測は、最終的な文脈ベクトルを語彙と照らし合わせて判断
- 各層の働きを混同すると誤解するが、理解できるとLLMの全体像が一気にクリアになる