自己紹介
「神田くん」
「おい。自己紹介だぞ」
あ、やばい。授業がつまらなすぎて聞いてなかった。
「えーと。神田 友 といいます。
趣味は、パソコンです。
毎日、新しい事をすることをモットーに生きてます!
多くの人と話したいです。これからよろしくお願いします。」
点々とした拍手。
我ながら上出来な適切な自己紹介だと思う。
とりわけ目立つ自己紹介でもないが
定型文でもない。
面白い事を述べても滑ったら終わるし
模範解答にあるような自己紹介はつまらなすぎて
人に名前を覚えてもらえない。
そこで、一行目標を述べる。
一部の人は 毎日新しい事?? となって名前を
覚えてもらいやすいと思う。
だが周りの話声に耳を澄ますと、
「Hernandezさん可愛いすぎね」
「理系、男しかいないと思っていたから最高だわ」
「俺見た目タイプだわ」
当然だが、
Hernandezさんの話題でいっぱいだった。
どんな顔なのかもう一度確認しようと
チラ見したら、向こうも気づいて
不快そうに、不意に、目を合わせてきた
確かに、可愛いかもしれないが
性格は悪そうである。
1日目終了
太陽がちょうど中央にある。
だが、まだ春なのか気温がほどよくさほど暑いと感じない。
始業式の日は学校が昼までに終わるというのはどこの学校でも大体同じである。
早く学校が終わる理由はいくつかある。
一つ目は単純にクラス担当を持つ先生が忙しくて授業なんてやっていけないから
もう一つは「冬休み明け」からの生活に慣れるためだ
冬休みにはクリスマスから正月と、生活習慣が壊れやすい時期でもある。
朝2時に寝て、朝10時に起きるという生活をしていたのなら、
春休み明け後「心」と「体」どちらにも独特のしんどさを生むだろう。
俺の場合は特にクリスマスに友達と過ごすという事もなく
家族と過ごす。
変に疲れず、平和で好きなテレビとアニメ視聴に全力を注ぐのだ。
したがって、朝起きると時間と寝る時間はこれといって変わる事はない。
いつも通りである。
休みの日は
いつも通り起きて、いつも通り、外の景気を眺めながら
コーヒーを飲むのだ。
そこから一日が始まるのがスタートだ。
これが自分に取って日課であり「幸福」を感じるひと時なのだ。
話を戻そう。
朝早く終わって、何をするか?
答えとして
人間関係構築がうまい人はmf(message of friends)メッセージアプリで交換しているだろう。
だが、俺はたくさん友達を作らない。
最初に断りを入れるなら
出来ないからではない。
むかしは多くの友達を作った。
でが満たされないのだ。
孤独という感情に。
友達を多く作っても結局話は完全に本年に話しているわけではないし、
薄ぺっらいトークに特に面白さを感じないのだ。
ゲームに興味がないし、外にワイワイ遊ぶのも対して面白くない。
世間一般の表現で述べるなら「陰キャ」だろう
そう妄想しつつ家の玄関に戻ってきた。
やはり初日は疲れるなと思いながらゲームをして寝た。
少し曇った空。
2日目にすること、副委員になりました。
新学期が始まって2日目になった。
「委員会を決めます」
学級委員長をやりたい人はいませんか?
経験上、数秒の沈黙があるのだが
そんな事はなかった。
「Hernandezさん やりますか?」
「はい。」
「他に立候補する人はいますか?」
・・・沈黙・・・
誰もが思いもしらなかった行動に思わず沈黙が生んだ。
「はい」
ここで俺が立候補する。
理由は3つある。
1つ目は楽をしたい。
こういうあからさまな美人でクラスの為に全力を注ごう
とする人は放課後の
特別課外活動が発生する確率が経験上高い。
例えば、文化祭を想像してみると分かる。
たまに他と比べものにならない高次元の
劇や展示物がある。
たった1日から2日間の為にここまで時間かける必要があるのか
と思うレベルの作品である。
確かに、後人生の2回しかない特別な行事であるし、頑張れば
青春時代を楽しんだといえるかもしれない。
だが、
楽したい、一人の時間を楽しみたい、
自分に取ってそれは不要要素である。
自分がリーダーになれば
そんな高次元の作品は作らないようなクラスの雰囲気を作るので問題は解決する。
2つ目は単純にリーダーをやりたい。
自分がリーダーなら自分はさぼり、周りに働かせるという構図が完成する。
従うのは嫌いなのだ。
自分の功績は残したい、自分は働きたくないこれが事実である。
リーダー or やらない
この2択が答えであって、誰かの下につくのが嫌いなのだ。
確かに
未来に会社に入ったら、誰かの下につく可能性が高い。
だが、今は学生である。
学生で自由に生きたいのだ。
自由になりたい、自由に考えたい。
ここで候補者が出るのが以外だったのか
クラス内は・・沈黙・・をたどる
最初の一言目は俺が述べた
「じゃんけんで決めます?」と
すると、予想通りの結果がかえってきた。
「不平等ではないでしょうか?」
まるで予め分かっていたように
こう答えた。
「確かにそうだよね。意気込みをクラス前で発表して投票はどうでしょうか?」
「Sure」
何故英語なのかは特に分からないが、何かと嫌味を込めている
と読み取れた。
「私が委員会になりましたら、皆さんと勉強会を開きたいと思います。」
その一言。しかし、この言葉は強力である。
具体例を述べやるべきことを想像しやすい。
しかも「勉強会」である。
もしかしたら、クラスの男子の誰しもが「委員長」と一緒に勉強会出来るのではないか!?
という疑問が頭に浮かぶかもしれない。
このメリットは
委員長なんて誰でもいいや と思う人の票を奪えるかもしれないのだ。
多くの人にメリットがあるこの一言で分かりやすい言葉は
明らか好感度が高い事が分かる。
この勝負は負ける。
だがら委員長の欄にHernandezと名前を書いて席に座った。
「神田くんは大丈夫なのですか」
「いや、譲りました」
といって拍手する。
すると、周りも少しずつ拍手を始める。
ここで最初に拍手をしなかったら余計な思考を生んで
中途半端に勝負から逃げたと思われるのを防ぐ為である。
ここで理由の3つ目を話す
俺は考える事が好きである。それはもう常に考え事をしているように、
委員長をすぐに立候補する人は珍しい。
そんな珍しい人はどんな性格を持つのか
少し興味がわくのは当然である。
だから、立候補してどんな対応を取るのか
知りたかったのだ。
少しの犠牲を払ってもこのメリットはでかい。
これは欲である。
新作のゲームを買いたいという気持ちが生まれたとしよう。
買いたくて仕方なくて買うかもしれない。
何故かと問われるなら欲しいからである。
この欲が知識欲に変わったまでである。
そんな事を考えていると
ぱちぱち・・
風紀委員が決まった。
残りは「副委員長」である。
誰も立候補しない。
他の委員会はなんだかんだで決まったのだ。
副委員なんて「副」がつく時点でいやなので、
もちろん立候補するわけないが(委員長だと、なんか委員の中の王様っぽくて
少しやりたかったが)
「神田くんは副委員長やりませんか?」
と、担任の声が関わる
すると一斉に周りの視線がこっちに向く。
許可してないのに
Hernandezが黒板に俺の名前を書いていた。
おい、なんで拍手してんだ、周りは
気づけば副委員になっていた。
まぁなんだかんだで面白いなと一人思った。
コメント