人は誰しも忘れ物をする
3日目。
よく使われる言葉に「2度目はない。」「2度ある事は3度ある。」がある。
1度目はあるのは仕方ないという暗示だ。
よく
委員会を決めたあとに放課後に会議(委員長と副委員長が出席する)があったりする訳だが
俺はこの会議をさぼってしまったのだ。
これは意図的ではない。単純に忘れてしまったのだ。
人はロボットではない。したがって忘れ物をするのは当然する。
いや忘れなければならない。
もし人に告白して振られた記憶があったとしよう。
その記憶を1年後も何一つ忘れていかったら、
俺は生きる事に耐えれなくなる恐れがある。
人は少しずつ記憶が曖昧になっていく。
昨日食べた食事の味が忘れていくように
(何を食べたかさえ忘れる)
会議のイベントを忘れるのは決しておかしくない。
自転車を走りながら、スピードを加速していく。
学校まで時間がないからだ。
ソメイヨシノと交通事故
そして
脳内で妄想している中に、
桜が入ってきた。
ソメイヨシノである。
一般的によく見かける桜である。
桜を見て、きれいだと
考えている時間の余裕もないし
昨年も見た光景なのだが、
春だなと感じる。
それだけだとよかったのが、
目の前に自転車が走っている。
よく小説では
事故にあうという描写があるのだが
そんな事があってはならない。
答えは「痛い」からです。
俺は注射を打つ事さえ怖い。
事故にあって連続的に続く痛みに耐えれない。
何とかブレーキを踏む。
だが、ぶつかってしまった。
自分にケガはなく相手の方は少しけがをしているようだ。
「大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。」
小さな交通事故である。
どちらも自転車に傷がなく
相手のケガも擦り傷程度だった。
相手は別の高校の生徒だと思う。
理由は制服が違う事から読み取れるし体格的にそうだろう。
だが、最悪な事に相手は女子であった。
ポケットティッシュを渡した。
「ありがとうございます」
「すみません。よける事が出来ませんでした」
「いえいえ」
そうして事後現場を後にして学校に向かった。
もう一度述べるが
新学期は桜が咲く季節である。
今年の春は始まりが悪いなと思いながら、学校に向かった。
始まりから話かけられる
「おはよう」
2日目から
昨日の立候補の効果が朝に話しかけてくれる
クラスの仲間がいるとは、、と思いつつ返す
「おはよう」とそして
「昨日、委員長の会議いくの忘れたのだが(笑)」
「大丈夫だろう。委員長優しそうだったし、いいやん」
「なんで」
「可愛い子と一緒に活動出来て」
「立候補すればよかったじゃん」
「いやだって副委員に立候補したら
あからさま狙っているやろと思われるやろ」
「確かに」
「しかも、そこまで行動力ないし」
「(笑)」
「ならいっそ告白してみたら」
「絶対振られるだろ((笑)」
「教室こっちだっけ」
「あってる」
「名前は何?」
「西村 解」
「これからよろしく」
「おう、よろしく」
教室に入って思った事
数少ない女子が一斉にこっちを向いた事だ。
これでHernandezは性格が悪いという事が判明した。
恐らく、俺が会議をバックレた事について話していたのだろう。
確かに話すネタ作りにはいいが、
性格が悪い。
綺麗な花にはトゲがある事が
やはり少し証明されたようだ。
「神田くん」
Hernandezが喋りかけてきた
「どうした?」
「・・・」
何故無言?
「ちょっと屋上近くまできてもらってもいい」
これはいきなり告白されるのか、
期待だ。
共に誰もいない屋上近くの階段に来た。
ちなみに屋上に行く階段は途中まで解放されているが
途中からは封鎖されている。
つまり、屋上には行けない。
何にも意味がないので特に人が寄り付く事もなく
薄暗い。
Hernandezは突然こういった
「I don’t write Japanese. Please
write this report by tomorrow.
I need to help Vice Chairman」
神田の脳内の訳:(私は日本語を書けないの、だから賢い神田くんに頼ってもいい?
明日までに書いてくれると嬉しいな。よろしく!!
告発される事を期待した分とやっぱりこうなるかという
気持ちが入り混じった。
気づけばHernandezはここから急いでいった。
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